非行について

はじめに伝えておきますが、私は専門家でもプロでもありません。ですが、同じ道を歩んできた経験とリアルな現場を知っています。なので是非違う視点からという形で見ていただけると幸いです。

 

私自身もそうでしたが、非行の最初というのは本当に軽はずみ、むしろ何も考えてないんです。周りに流されたり、なんとなくといったことがほとんどだと思います。なので原因を追求するように子供達に理由を聞いても仕方ないんです。答えられないんです。

むしろ答えなんてないんです。ですが親御さん含め矯正機関は原因を追求しがちです。答えがないんだから子供達はなんとなく正解っぽいことを言います。これじゃ何も解決にならないですよね。実際の彼ら彼女たちの本音はそんなところです。僕自身も少年院という場所で毎日のように繰り返される自己の非行の原因探究に苦戦しました。答えが無いこともあるんです。

 

ではなぜ彼ら彼女たちは非行に走っていくのか。それは前章でもお話した通り、まず一つの要素として住んでいる地域や関わっている人が大きく影響していると思われます。環境が大きな原因なのは間違ありません。そして状況も。

では具体的にそういった環境状況とは、

・学校に不良の友達がいる

・学校に不良の先輩がいる

・学校にいってない友達がいる

・本人が学校に行っていない

・他校に不良の友達がいる

・部活、習い事をしていない

・仲の良い友達が先輩付き合いがある

 

ではそういった環境の中にいるとどう変わっていくのか。

次から具体的に述べていきます。

 

1、服装がだらしなくなる、派手になる、話し方接し方が変わる

とにかく彼ら彼女らは中学高校になると俗にいうヤンキー服やギャル服のような派手な服装がカッコいいとかカワイイというマインドになり、そして基本思春期ですので同年代の目が気になります。周りに合わせるといった表現でもいいかもしれません。その為、わかりやすいくらい服装や言動が変わります。又、これは非行をしていない子でも該当しますが、先ほども言った通り思春期ですので、小学校の頃の接し方はできないと思います。素っ気ないとか、会話が減るとか、ご飯を一緒に食べなくなるとか、部屋に一人でいる時間が多くなる…など

 

2、学校で問題を起こし始める

学校生活の中で色々なタイプの人間に分かれてツルみ始めるのですが、不良はもちろん不良と付き合い始めます又付き合わされます。そして上でお話しした通り、学校生活や私生活の基準は周りの友達の目になります。服装や言葉使いは上でお話しした通りですが、これに加え言動がおかしな方向にいきます。勘の良い方はお気付きだとおもおいますがこれも周りの影響です。周りにカッコよく思われる為に自ら問題行動も起こす人もいれば、周りにビビってると思われたくない嫌われたくないといった自分の意思ではないにしろ問題行動を起こす人もいます。問題行動の内容は今あなたが直面していることです。

このように学校という大勢の人の目が周りがあると、そういったカッコつけたいという心理が一層強くなるように思います。これは学校に限らず、外でも一緒で大勢の人間と公園や家に溜まったりする場合も同じことが言えます。

そういった形で問題行動は始まっていき少しずつズレ始め、又普通の友達がいなくなっていきます。悪循環に入っていきます。

 

3、学校にに行かなくなる

生活が荒始めると二つに別れます。学校に行かないで不良になっていくパターンと学校には行くが不良になっていくパターンです。

そしてここで一つ言っておきます。これは不良の子に限らず不登校引きこもりの子にも言えることです。

このご時世、学校に行っていなくても就職できる時代です。たとえばパソコンができるだけで就職できます。『学校に行かないとダメ!!』という考えは古いです。むしろまずは親御さんたちのその固定概念を変える必要があるかもしれません。今は令和です。昭和平成初期の時代ではありません。学校に行かないとダメという昔ながらの固定概念を一回取っ払って考えてみてください。そうすると親御さんが子にかける言葉も変わってきますし関係性も少し変わってくるかもしれません。

例えば、『学校に無理に行けとは言わないから何か興味あることすれば?』とか、『勉強が全てじゃないから部屋でパソコン触ってみれば?』とか。仮に学校に行ってなくてもなにもしてないということはないと思うので好きにさせる。ここで何が言いたいかというと、学校学校勉強勉強というのはやめた方がいいということです。子供を今より良くしたいのであれば。言って変われる子なら今頃更生しています。むしろ非行に走っていません。そして繰り返しになりますが、今のご時世学歴は関係ありません。上場企業に就職したいのであれば話は別ですが。笑

話を戻しますが、学校に行かなくなるパターンと行くパターンの二つに分かれますが、どっちが良いとか悪いというのはないように思います。今までの経験上どちらも同じだと思います。

 

4、タバコを吸い始める、お酒を呑み始める

彼ら彼女らの最初の非行となる一つが喫煙と飲酒です。

喫煙や飲酒は立派な犯罪です。が、逮捕されることはありません。

なので非行ゲート(入口)の代表です。僕自身も中学一年で喫煙を経験し飲酒も経験しました。これも周りの目が大きく関わってきます。中学生高校生が好んでお酒を飲むと思いますか?タバコを吸うと思いますか?最初は全て周りの目の影響です。

むしろこれが非行がカッコいいというマインドを作った発端かもしれません。

僕たち大人は喫煙する際、周りにカッコいいと思われたいからタバコを吸っているわけではありません。飲酒も同じです。ですが未成年の場合は初めの犯罪?というこういった場面に初めて直面した際、周りはその犯罪行為をした本人を持ち上げます。当然当本人は気持ちよくなり、又自分の居場所を見つけ自分がとるスタンスの正解はこれだ!と勘違いしてしまいます。周りも同じです。一人が成功体験とも呼ばれるこういう体験を目の当たりにしますので自分も同じく続きます。そうです。これも悪循環です。ですがこれが日々続くことで少しづつ道がズレていきます。

 

5、バイクに乗り始める、人に手を出す、人からお金を奪る

飲酒喫煙から始まった非行は次の段階に突入していきます。人によって多少前後はあると思いますがほぼ同じ感じで進んでいくと思われます。

最初は人に迷惑をかけない飲酒喫煙ですが、次の非行からは被害者が生まれていきます。これはこの先も同じで、加害者被害者という関係性は更生しない限り永遠のテーマになってしまいます。僕もつい最近まで常に加害者被害者という関係性を嫌でも考える状況でした。簡単に言いますと、薬物事件以外では全ての犯罪に被害者というものが生まれますので被害届というものが必ず関係してきます。そうです。逮捕です。ですので未成年とはいえ相手になにか危害を加える全ての犯罪はなるべく経験しないでいただきたい。決して薬物を肯定しているわけではありません。家族や友達が被害者なのが薬物ですので。もちろん逮捕もされます。ただ今は人に危害を加え被害届が出て逮捕されるという流れの話をしていますのでご了承ください。

その中で最初に考えられるものは傷害、恐喝、バイク窃盗になります。

不良少年少女の気持ちはわからないと思いますが無免許でバイクに乗るというのはその年代のヒーローです。もちろん働けないのでバイクは買えないわけで盗むしかないわけですが、もしくは先輩にもらうとか。とにかく正規ではないバイクというのが大半だと思います。これはただのカッコつけです。無免許で2人乗りノーヘルメットしてる自分かっこいい!です。そして周りも憧れる。意味なんてないんです。カッコイイ、まわりがしているから。です。そして年代特有のバイクへの憧れ。

傷害、恐喝も似たようではありますが、もちろんそういう行為をしている自分かっこいい!もしくは行為している人がカッコよく見える。という周りの目は一緒だと思いますが、それに+αで関係してくるのがまず恐喝は実際にそういう非行生活を送っているとお金が必要になります。そうですよね?タバコ・お酒・ガソリン・コンビニ・洋服など。そしてなにより普通の学校生活もしくは就業していない人っていうのは時間が余り暇です。そうするとどうなるのか、お金を使う頻度がどうしても増えてしまいます。そして同年代の普通の暮らしをしている子たちと同じ水準の生活していないわけなので当然普通の小遣いでは足りません。そうなるとどうなるのか。最初にお話したように彼ら彼女らは友達の目が一番の基準ですの普通に暮らしに戻りお金を使わない生活という選択肢はないわけです。そうなるとお金を作る必要がある。親の財布からお金を盗む。弱い人間からお金を取る。ひったくりをする。これしかお金を自ら作る方法はありません。最近の子は薬物を売買してお金を作る子もいますが。

そして次は傷害です。先に話した通り周りの目、自分のかっこいい自分像がありますので人に暴力を振るうのと同時に、思春期ということもあり感情がコントロール出来ずエスカレートして暴力という解決手段になってしまうんです。又一度暴力で解決出来てしまうと成功事例として自分の頭に残りますのでこれが続きます。

 

 

少しわかりづらくなってしまったかもしれませんが、非行と犯罪は紙一重ということです。上記で説明したように環境のせいでズレ始めた生活が、最初は服装や話し方やタバコなど非行止まりでしたが、気づけば傷害恐喝窃盗という似てるようで全く違う土俵に入ってしまっているんです。でも彼らは少しづつ変わっていったので線引きがわかっていないんです。気づいてないんです。そして逮捕されるんです。

 

では続きは次で。